「テレビに出ている音楽家どう思う？」という質問にマジレスすると。

もちろん、足軽雑兵の肉体労働です。

別に映画制作には興味はなく、小遣い稼ぎと話のタネです。

槍を担いで馬のペースに合わせて草原を走り回るのもキツかったですが、とにかく待ち時間が長かった。

雲の間から日が射すタイミングを狙ってたみたいでした。

自分が写ってたかどうか、映画は観てないので知りません。

「どうすれば質の高い教育番組を制作出来ますか？」

の答えが

「まずは、どうやってより多くの制作資金を集めるか考える事」

でした。

何も言い返せませんね。

実は、一見ただの着ぐるみに見えるマペットは、当時の最先端技術を駆使しており、例えばビッグバードの視界は両方の目玉の位置にそれぞれカメラが有り、それを中の人の目に取り付けた、今でいうVRゴーグルの様な装置で子役と視線を合わせながら会話するこだわりなのです。

従って、子役から見たらビッグバードの顔が意思のある本当の生き物に見えるのです。

良い作品は、端から見るよりはるかにお金と手間が掛かっているのです。

何が言いたいかと言うと、タレントミュージシャンがテレビで見せる顔はほんの一面で、極めて高度な資質を持った方々であろう事は想像に難くないので(トータルスキルとして)、もしかしたら面白いタレントミュージシャンが増えれば、今は商業として成り立っていないクラシック界にお金を呼び込むきっかけになるかも知れないという事です。

別に客寄せパンダでも良いじゃあないですか。

原理原則ばかり主張しても何も解決しない事は、働く皆さんは嫌と言うほど理解しておられますよね。

例えば、架空キャラではあるものの、のだめがきっかけでクラシックに興味を持った方おられますよね。

かくいう私も、普段は縁の無いシネコンへ通ってしまいました。

のだめは一時期、社会現象にさえなってました。

実はその前のスウィングガールズ(ビッグバンドジャズ)から上野樹里には注目していたのですが。

これらの映画は、YAMAHA音楽教室をだいぶ賑わせたみたいですね。
(スウィングガールズに関しては、モロに制作サイドだし)

スウィングガールズに至っては、全国各地の金管バンドや吹奏楽部が一斉にスタンダードジャズコピーするという現象を引き起こしました。

耳触りの良いこれらの曲が生まれたのはたいていww2前の時代ですよ。
それらが今でも愛されているし、これからも愛される事でしょう。
(ヨーロッパクラシックで言うと、古典派小品的位置付けかな。)

現代のポピュラー音楽は、たいていこの時代のジャズの影響を受けていると言われるし、ジャズは元々、ヨーロッパ式音楽教育を受けたアメリカのミュージシャン達が、民族音楽テイストを加えて制作演奏した音楽が始まり
(デキシーランドジャズの様に土着的音楽の流れもあるが、様々なルーツや他ジャンルの影響を受けるのはヨーロッパクラシックも同様。)
で、常に新しい事をやろうと考えるのは芸術家の本能なので、今のクラシック界の異様なまでの保守性は、歴史的特異点なのではないかな。

私の個人的見解としては、クラシックが近現代に難解な前衛芸術化し(いわゆる現代音楽)、果たしてそれを音楽と呼べるのかという、20世紀に入って全体主義者による粛清を招いた反動としての保守化ではないかと考えています。

ヒトラーやスターリンが難解な前衛音楽を徹底的に弾圧した話は有名ですからね。

それと、かつての日本でも西洋社会でも、クラシックは生活の心配の無いお嬢様の教養と考えられ教育されていた事も、ハングリー精神やチャレンジ精神の無いミュージシャンを増やした要因とも考えられます。

ww1前夜、まだ平和だった1900年代初め頃のカナダ離島の、クセの強い住民達は全員顔見知りという小さな田舎町を舞台にした、町の中では一番ゆとりある、頭に血が昇りやすい家系の農場の娘を主人公にしたTVドラマでも、都会のお嬢様学校へ入学しようと、クラシックに詳しいかのように見栄を張る話がありました。

本当はクラシックには興味がなく、ただピアノ弾くのが好きなだけなんですけどね。

せっかくなので、続き。

お嬢様達や元お嬢様であろう教師のあまりの非常識ぶりに、憧れていた上流社会にすっかり幻滅し、今度は医者を志すけど、男女差別主義者である担当教授の執拗な嫌がらせと進級手続きの手違いで挫折してもんもんとしていた所、海難事故で死んだと聞かされていたファーストキスの相手が実は生きのびているかもしれない可能性を知り、彼を気に掛けていた、強烈にクセの強い元担任教師の伯母と二人ではるばるアメリカ南部まで探しに行き、うちひしがれていた彼を叱咤激励して自分の町へ連れ帰り、夫となった彼の視力回復の手助けと(視力を失っていた事にショックを受けた主人公の父親が手術費用を負担してくれた)、町の住人達が費用を出し合って設立した孤児院で、スペイン風邪で親を失った子どもたちの世話をしながら生きる決意を固めた、「アボンリーへの道」という、笑いと涙の超長編テレビドラマ。

(ルーシー・モード・モンゴメリの小説の数々をブレンドした話。)

私が子どもの頃、親の世代はマンガやアニメ(テレビマンガなどと呼ぶ頃も有った。)を蔑んでましたが、今や日本を代表する文化だし、文化産業の稼ぎ頭ですね。
(クリエイターはなかなかブラック労働らしいですが、そもそも創作活動で規則正しい生活など無いでしょう。)

もう大多数の人はこの世にはいませんが、親の世代の言い分に素直に従っていたら、大事な文化があの世代と一緒にあの世へいってたかも知れません。

クラシック界だって、かつてカラヤンが試みた様に、もっと商業的に大衆に支持され、経済が成り立つ世界になれば、持続性のある文化となるかも知れません。

残念ながらその逆のパターンとして、かつて、あれだけ人気の有った演歌が今では壊滅寸前です。

ファン層が一部に偏っていたからです。

その方達が亡くなれば文化産業としてもう終わりです。

師弟関係を重視する業界体質が最大派一般大衆となった核家族ホワイトカラー層に受け入れられなくなったという、クラシック界に通ずる面も有るかもしれません。

私だって演歌は積極的には聴きませんが、生で聴くと鳥肌ですよ。

実はうちの町出身の、子どもの頃からその圧倒的な歌唱力を恐れられていたらしい演歌歌手がおられるのです。

ただ、バックアレンジの意図的な野暮ったさは、私は受け入れ難いし、なかなか生バンドでは聴けない。アレンジがシンプルなので、小編成では映えないでしょうね。
(たいていビッグバンドかオケなので、コンサートツアーやったら凄まじい人件費でしょう。)

しかしながら、必殺シリーズの曲は歌唱力も含めて、心に染み入る名作が多いです。

劇中曲も、トランペッターが一度は真似する、伝説のスタジオミュージシャン数原晋氏がメインだし。

人気が有ったからこそ、音楽にもお金を掛けられたのです。

何かを変える時は変化を恐れる勢力の抵抗はつき物ですが、資本主義社会である以上、お金の問題は絶対に解決しないと、その世界は消滅してしまいます。